アプローチ

信じて任せる

うまくいかないことを受け入れる

お子さんを信じて任せることで、欲求を満たす機会を増やしていけます。

もちろん、はじめはできないことが多く、保護者の方が手伝った方がうまくいくと思うかもしれません。しかし、お子さんの将来を考えるのであれば、うまくいかない事実を受け入れ、信じて任せることも必要なのです。

うまくいかなくても、お子さんが自分で向き合えると信じて、任せていきましょう。

信じて任せる時の欲求ごとに意識するポイント


お子さんを信じて任せる時は、お子さんの年齢や性格、理解度に加え、基本的欲求を意識しましょう

たとえば、生存の欲求が強いお子さんは、新しいチャレンジを負担に感じやすい傾向があります。未経験のことであれば「やりたくない」と思うかもしれません。そのため、まずは簡単なことから挑戦し、徐々にレベルを上げて取り組めるよう工夫するとよいとされています。

「信じて任せる」ことは、お子さんにとっても、保護者の方にとっても試練です。だからこそ、お子さんの基本的欲求を踏まえた関わりを意識して、できることを増やしていきましょう

なお、信じて任せる時は、お子さんが「信頼されている」という感覚が味わえるように声をかけることも大切です。「〇〇(子どもの名前)だから安心してお願いできるよ」と伝えるだけで、お子さんの肯定的な気持ちを育めます。お子さんが信頼される経験を積めるように、任せることの意味や価値を伝えていきましょう。

任せる時に意識したい3つのレベル


お子さんに任せる際に「これでいいの?」「うちの子にできるかな?」と心配になることもあるでしょう。そんな時は、お子さんに任せられるレベルかどうか見極める必要があります。次の3つの基準をもとに、お子さんはどのレベルに該当するか判断してみましょう。


お子さんに任せる際の判断レベル


レベル1「全面的に見守りが必要」
保護者の方の見守りやサポートがないと難しい状態
レベル2「部分的にできる」
部分的な手助けが必要。すべて任せるまではあと一歩の状態
レベル3「自分1人ですべてできる」
すべてお子さん1人でできる状態。その事柄に関することはすべて任せられる


上記の判断レベルをもとにした関わり方を、具体例とともにご紹介します。


例)予算300円以内でおやつを買い物してもらう場合



レベル1「全面的に見守りが必要」


レベル1のお子さんは、お店に行く・お金を持ち運ぶ・おやつを選ぶ・支払いをするなどが難しく、全面的に見守りが必要です。そのため、次のように関わります。



  • おやつを買うためにお金を支払う必要があることを伝える
  • 自宅からお店まで、お金を安全に持ち運ぶ方法を教える
  • おやつの選択やレジでの支払いなどのお手本を見せる、一緒にやってみる

買い物に必要な行動が理解できたら、できそうなところはお子さんに任せて、そばで見守ります。


レベル2「部分的にできる」


レベル2のお子さんは、買い物に必要な行動が部分的にできるようになります。そのため、次のように関わります。



  • お店への行き方や道順を確認する
  • お金を安全に持ち運べそうか確認する
  • おやつを買う時に、予算を意識できているか見守る
  • わからない時は相談するよう伝える
  • レジにおやつを持っていき、お金を出して支払えるか確認する

1人ですべてできるようになるまで、もう少しの状態です。できるところは任せつつ、適宜様子をうかがいましょう。


レベル3「自分1人ですべてできる」


レベル3のお子さんは、自分1人で買い物ができます。基本的にはお子さんを信じて任せつつ、状況に応じて次のように関わります。



  • お金を安全に持ち運ぶよう声をかける
  • 予算を意識して買い物するよう伝える
  • 店員さんに「レジ袋いりますか?」と聞かれたら答えられるようにする

上記のレベル分けは、あくまでも一例です。実際にお子さんに任せる時は、普段の様子からどこまでできるか想定し、判断しましょう

判断が難しい場合は、実際にお子さんと一緒に買い物に行き、お子さん1人でどこまでできるか観察します。その上で、お子さんに合わせたレベルを設定しましょう。


なお、信じて任せる時のポイントについて、欲求別にも解説しています。お子さんの強い欲求をもとに、お選びください。

各欲求別のアドバイス

  1. 1. 信じて任せる「生存の欲求」が強い人向けアドバイス

  2. 2. 信じて任せる「愛・所属の欲求」が強い人向けアドバイス

  3. 3. 信じて任せる「力の欲求」が強い人向けアドバイス

  4. 4. 信じて任せる「自由の欲求」が強い人向けアドバイス

  5. 5. 信じて任せる「楽しみの欲求」が強い人向けアドバイス


お子さんに「何を・どこまで任せていいかわからない」という方は、下記の記事をご覧ください。


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信じて任せる時の評価の仕方

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