心構え・考え方
自分の欲求は自分で満たす

いつもは何とも思わない子どもの行動に「イラっ」としたことはありませんか?普段は気にならないことで心が乱れるのは、基本的欲求が満たされていないからかもしれません。
基本的欲求 とは、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサーが提唱した『選択理論心理学』に基づく考え方です。『選択理論心理学』では「人は自らの欲求を満たすために行動している」と明言されています。
たとえば、インドア派の人がリフレッシュしようと思う時、家で好きな映画を見たり、寝たりなどの行動をとるでしょう。逆にアウトドア派の人がリフレッシュしようと思ったら、外出する、キャンプに行くなどの行動をとるかもしれません。
このように、人は自らの欲求を満たすために行動を起こします。
子どもにイライラする時に叱ったり、「〇〇しなさい!」と伝えたりしても、自分の欲求は満たせません。どうしてイライラするのか、本当はどうしたいのかを考え、自分で自分の欲求を満たすために行動を起こす必要があるのです。
「本当は一人の時間がほしい」「ゆっくりしたい」と思っているのであれば、お子さんの安全を確保した上で別室にこもったり、休息したりするのもよいでしょう。自分なりのリラックス・リフレッシュ方法を見つけ、自分の欲求を満たすことに力を注ぎましょう。
自分で自分の欲求を満たす=責任を果たすこと

『選択理論心理学』では「他人の欲求充足を妨げず、自分の欲求を満たすこと」を「責任」と定義しています。つまり、誰かの邪魔をせず、自分で自分の欲求を満たすことは責任を果たすことと同じだといっているのです。
子どものために自分の気持ちを抑えることは、一見立派で、よい行いに見えるかもしれません。しかし『選択理論心理学』では、欲求を抑えるのではなく、満たすために行動したほうが責任を果たせるといいます。
もちろん、そこには「人の欲求充足を妨げない」という条件がついてきます。お子さんを適当に扱っていいという訳ではありません。
欲求を満たすためにどう行動するとよいか、不満を感じた時どう対応するとよいかを知っておくと、お子さんと心地よい関係が築けます。
欲求の満たし方については「欲求の満たし方」で、親子関係の築き方については「親子の関係性について(Relationship)」でそれぞれくわしく解説しています。自分の欲求を満たし、親子でハッピーな時間を過ごしたい方は、ぜひご覧ください。