基本的な

欲求の満たし方

欲求を適切に満たすためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。


  • 見方を変える
  • 行為・思考を変える
  • ゴールを変える


この方法は、子どもにも、大人にも活用できます。次の具体例を参考に、自分なりの満たし方を見つけていきましょう。

どんな状況でも欲求は満たせる


さきほどの欲求の満たし方を、朝起きるのが遅いお子さんとの関わりに当てはめて考えてみましょう。


見方を変える



見方を変えると、お子さんの行動を別の視点から分析できます。決めつけたり、考えを押し付けたりせずに済むはずです。


行為・思考を変える



行為・思考を変えることで、今までとは違うアプローチを検討できます。結果として、親子の関係悪化を防げるでしょう。


ゴールを変える



ゴールを変えると、自分の課題が明確になります。「自分に変えられること」と「自分には変えられないこと」が目に見えるようになるのです。


「自分に変えられること」がわかると、具体的にどう行動すればよいかがわかり、達成感が得やすくなります。「こどもを変えなきゃ!」と思う気持ちを減らせるので、親子の関係が悪くならずに済むでしょう。子どもが遅刻しても「これも必要な学びだった」「大人になる前に失敗できてよかった」と考えられるかもしれません。


このように「見方」「行為・思考」「ゴール」を変えることで、どんな状況でも欲求を満たしていけるのです。

まずは自分の余裕を確保する


まずは、自分の余裕を確保することからはじめましょう。保護者の方がご自身のために行動することで、次のような状況を避けられます。


  • 子どもに感情的な対応をしてしまう
  • 子どもに不適切な対応をしてしまう
  • 欲求を適切に満たせなくなる

子育て中にイライラしたり、落ち込んだりした時は、落ち着く時間を確保しましょう。少しだけ距離を置く、小休憩をはさむなどをしてもよいのです。自分なりの方法で、ほっと一息つく時間を作りましょう。

親子で欲求の強さが違ったら


先ほどご紹介した3つのポイントを意識し、自分の余裕を確保しても、うまく欲求を満たせずお困りの方もいるかもしれません。たとえば、親子で欲求の強さが違うと、欲求を十分に満たせない可能性があります。

愛・所属の欲求の強さが異なる親子を例に、みてみましょう。



このように欲求の強さが異なると、親子であっても考え方に違いが生まれます。その結果、どちらかがどちらかに合わせなくてはならない場面も出てくるでしょう。


「1人でゆっくりしたい」と思っても、お子さんの「〇〇したい!」「友達と〇〇に行きたい!」という思いを叶えるために頑張っている方もいるかと思います。また、「子どものために頑張らなきゃ」と無理をして、親子で過ごす時間が辛く感じている方もいるかもしれません。



大切なのは「親子であっても欲求の強さは違う。だから考え方に違いがあってもいい」と認めること。お互いに心地よく過ごすために、自分なりの方法で息抜きをしながら、お子さんと向き合いましょう。ときには、パートナーや信頼できる人に、お世話をお願いする日があってもよいかと思います。


ほかにも、親子で心地よく過ごすための対応をいくつかご紹介します。


お互いの強い欲求が満たせる方法を試す


たとえば「生存の欲求が強い親」と「愛・所属の欲求が強い子ども」の場合、親がゆっくりできて、子どもが人と関わりながら遊べる場所で過ごしてみましょう。友人家族とレジャーシートを持参して公園に行ったり、託児付きの室内遊具施設に出かけたりすると、お互いに欲求を満たせておすすめです。


また「自由の欲求が強い親」と「愛・所属の欲求が強い子ども」の場合は、親が選択できる機会を増やすとよいでしょう。お出かけ先の候補をピックアップする、ランチで行くお店を選ぶなどの工夫がおすすめです。お子さんの欲求は一緒にお出かけすることで満たされるため、お互いに欲求を満たしていけます。


お互いに楽しめる方法を探す


親子で話し合い、お互いに楽しめる方法を探しましょう。子どもにも調整をお願いすることで、協調性や調整力を育んでいけます。相手の欲求充足を邪魔せず、自分自身の欲求を満たしていけるはずです。

あなたらしい関わりを

『選択理論心理学』では「相手の欲求充足の邪魔をせずに、自分の欲求を満たす」ことを責任と定義しています。

「私は親だから」と考えて子どもを優先しすぎるのではなく、「私も自分の欲求を満たす」と決めて行動したほうが、責任を果たす姿を見せられるのです。「子どものために頑張らなきゃ」と考えて苦しくなった時は無理をせず、あなたらしい関わりでお子さんと向き合いましょう。

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