解説・説明 (子ども)

自由の欲求が弱い人

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  • 弱い欲求

自由や自己選択を願う欲求

自由の欲求とは「自由でいたい」「強制されたくない」と願う欲求です。行動だけではなく、内面的な自由も含まれます。この欲求が弱い人には、既存のルールや規律をそのまま受け入れる傾向がみられます。

自由の欲求が弱い子は「人の意見も受け入れられるタイプ」

考え方や行動の傾向


人の意見に快く耳を傾けるタイプで、自分の選択を他人に委ねてもそれほど気にならないようです。時間や規則を守ることに抵抗がなく、物事を進められます。規律が厳しい環境にも適応しやすいかもしれません。


気にならないこと


  • 選択肢の少なさ
  • やり方やマニュアルが決まっていること
  • 人の意見に従うこと

ポイント

自由の欲求が弱い子は、人の意見を聞き入れる器を持っています。その反面、周囲の意見に流されるままになることも。そのため、自分なりの判断基準が持てるよう関わる必要があります。

自分の中にある「こうしたい」に気づいて、選択する経験ができるように、お子さんの気持ちや意見に耳を傾けていきましょう。

自由の欲求が弱い子のための8か条


Base(ふだんの関わり)



困った時の対処方法を伝えておく


時間や規則に素直に従い、言われたことに取り組むタイプです。その反面、新たな環境で、自ら考えて行動することが苦手に感じる場面もあるでしょう。

「困った時は相談しよう」「〇〇するといいよ」などの声を事前にかけておくと、不足の事態でも、落ち着いて対処しやすくなります。


代弁せず、ゆっくり待って


「〇〇はこう思ったよね?」「△△したいんじゃない?」と、お子さんの気持ちを代弁していませんか?

先回りして子どもの話を遮るのは控えた方がベターです。お子さんが、自分から意見しようとしていることに気づいたら、辛抱強く待ってみましょう。


自分だけの「基準」を大切に


さまざまな意見を聞き入れるのが上手です。しかし「どうしたい?」と聞かれると、自分の意見を言えない場面もあるかもしれません。

しかし、お子さんは「意見がない」のではなく、自分なりの判断基準が定まっていない可能性があります。そのため、自分の気持ちをノートなどに書いて、整理する機会を作るとよいでしょう。

「自分にとって大切なことはなにか?」「何をされると嬉しいか」「どんな友だちといると心地よいか」などを書いていくうちに、自分の価値観が見えてきます。自分の意見を意識して考えたり、選択したりする機会が増えると、自分の価値観に気づき、判断基準が明確になっていくでしょう。

なお「特にこだわりがない」と言った時は、それもまた一つの意見として大切であると認めます。その上で、自分の考えを話せるよう励ましていきましょう。


質問には「提案」を添えて


意見を聞いても、なかなか答えが返ってこない時は「私はこう思うけど、あなたはどう?」と、自分の意見を添えて尋ねてみましょう。

提案を添えることは、お子さんの表現を促し、自分の欲求を満たすのに役立ちます。お子さんが話しやすい方法で、取り組んでいきましょう。


Challenge(挑戦するときの関わり)



見通しを持って進めよう


状況変化や臨機応変な対応が多い環境は苦手かもしれません。やることが決まっていたほうが、心地よく感じる場合もあります。

お子さんが力を発揮するために、あえて自由度を減らしたり、スモールステップに分けて取り組んだりしてみましょう。

例)

  • ドリルは1日何ページまで、と決める
  • やるべきことと量を明確にする


「何をやるべきか」が決まっていると、見通しが立ち、スムーズに動けます。お子さんと話し合いながら、決めてみてください。


あえて、選択肢を減らしてみる/h4>

多すぎる選択肢がストレスにもなることも。「AとBならどっちがいい?」と選択肢をしぼったり、「強いて言えば」「どちらかと言うと」などのクッション言葉を添えて表現を促しましょう。

ささいなことですが、こうした自分で決める経験が、将来の自己決定につながっていきます。


️大人の失敗談から学んでみよう/h4>

「失敗してもいいんだよ」と、親が子どもに教えることも大切です。

たとえば、子どもがお皿を割ってしまった時に「お父さん/お母さんも、小さい頃にお皿を割ったことがあるよ」と失敗談を話してみましょう。子どもは「失敗しても大丈夫」「ちゃんと大人になれる」と学習し、失敗を恐れないようになっていきます。

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