解説・説明 (子ども)
自由の欲求が強い人
- 子ども
- 強い欲求

自由や自己選択を願う欲求
自由の欲求とは「自由でいたい」「強制されたくない」と願う欲求です。行動だけではなく、内面的な自由も含まれます。規則やマニュアルに従うよりも、自ら考える・決める・実行することで欲求が満たされます。
自由の欲求が強い子は「自由・自分で選びたいタイプ」
考え方や行動の傾向
自分らしくありたいと望み、変化を求めながら行動するタイプです。時間や規則に縛られない生き方を好みます。人の意見に流されることは少ないでしょう。新たな発見やアイディアを柔軟に出すことが得意です。
大切にしていること
- 自分らしさ
- 個性
- 自己選択
- 強い意志
- 独立心
ポイント
自由の欲求が強い子は、意志を尊重してほしいと考えています。強い意志を持ち、自らのやり方を貫くため、個性を認める関わりが大切です。
また、自分流を貫くあまり、周囲との軋轢が生まれる可能性もあります。お子さんが決定できる範囲を認識し、その中で選択できる自由を感じられるようになると、欲求を満たしながら円滑な人間関係が築けるでしょう。
自由の欲求が強い子のための9か条
Base(ふだんの関わり)

感謝の言葉でモチベーションを高める
周りにとってなんでもないことにも「自分らしさ」を見つけ、価値を見いだす傾向がみられます。こうしたお子さんのこだわりは、自分らしさを形作る重要なピースなのかもしれません。
そのため、お子さんが大切にしていることは尊重していきましょう。ときには、「どうして好きなの?」と聞いてみると、好き嫌いの裏にある意外な「らしさ」が見つかるかもしれません。お子さんの個性や価値観を、楽しみながら発見していきましょう。
「こんな時どうする?」を話し合おう
マイペースで自由な選択に、周囲が戸惑う場面も。そんな時は「調整できる行動はないか」を一緒に考えてみましょう。
たとえば、服選びにこだわりがあり、毎朝遅刻しそうになっていたとします。この場合、服をゆっくり選ぶために早く起きる、集合時間を調整するなどの対応が可能です。優先順位がハッキリしている分、調整のしがいがあるでしょう。親子で「こんな時どうする?」と話し合い、周囲との調和を図ってみてください。
「選ぶ自由」を用意する
お子さんは、自分の意志を重要視しています。押しつけるよりも、選ぶ自由を用意することが大切です。
たとえば、身支度の際は「ハンカチはカバンとズボン、どっちに入れたい?」「帽子かぶるよ、どっちが好き?」と声をかけ、選択の機会を作るとよいでしょう。
「〇〇しなさい」というよりも、選択式を取り入れるほうが格段に受け入れやすくなります。
目の前の不安も、時間と共に解決していく
欲求の違いから「うちの子、どうしてこんなにマイペースなの?」と不安になる時もあるかもしれません。
しかし、お子さんは大体のことを自分で選択し、取り組める力を持っています。自分なりに、できることを増やしているのです。周囲との違いに焦りや不安を感じた時は、お子さんの選択を受け止め、行動を見守りましょう。
Challenge(挑戦するときの関わり)

やるかどうかは、自分で決める。
「いいからやりなさい!」と強制していませんか?自由の欲求が強い子は、やるか・やらないかを含め、自分で決めたいと思っています。
しかし、保護者の方が怒ると「怒られるからやらないと!」と思って行動せざるを得ません。その結果、やらされている感を覚えて、やる気を失ってしまう可能性もあるでしょう。
あくまでも、やるかどうかは子ども次第。自分で意思決定できることを伝えた上で、「手伝えることがあったら言ってね」と声をかけ、行動を見守りましょう。その方が、スムーズに動けるはずです。
NGよりもOKを増やす
のびのびしたいお子さんに「あれダメ」「これダメ」は、あまり通用しません。注意する時は、NGよりもOKに言い換えた伝え方を意識しましょう。
例)
- 「この公園は走っていいよ。出たら、歩こう」
- 「信号が青になったら、歩いて渡る?スキップして渡る?どっちがいい?」
受け入れやすい伝え方や問いかけで、適切な行動を教えていきましょう。
️頭の中に選択肢があることが大切
「自分にはA・B・Cのやり方がある」と選択肢を持っているだけでも、欲求を満たせます。たとえ現実的な選択肢でなくても構いません。頭の中に自由があることが、お子さんの心の余裕につながるのです。
「これならできるかな」「こうだとやってもいいかな」と考える自由を残し、気持ちよく取り組めるようにしていきましょう。
️頭の中に選択肢があることが大切
「自分にはA・B・Cのやり方がある」と選択肢を持っているだけでも、欲求を満たせます。たとえ現実的な選択肢でなくても構いません。頭の中に自由があることが、お子さんの心の余裕につながるのです。
「これならできるかな」「こうだとやってもいいかな」と考える自由を残し、気持ちよく取り組めるようにしていきましょう。
自主・自立に表彰を
意志の強さを活かすことが、成長の近道です。
片づけや勉強、お手伝いに自ら取り組めた時は、すかさず「自分で決めて、やったのね!エライ!」と褒めたり、「どうしてやろうと思ったの?」「どんなふうにやったのか教えて」と問いかけたりしてみてください。自立心が、さらに伸びていきます。
自主・自立に表彰を
毎日の習慣を身につける時、何事も子どもに決めさせるのではなく、決められる範囲を徐々に拡大していくことが必要です。
たとえば、遅刻せず準備する習慣をつける場合、どの順番でやりたいのか、どうするとやりやすいのかをお子さんと話し合います。この時、時間に間に合うという目的は変えずに、お子さん自ら選択する自由を確保しましょう。
はじめはうまくいかなくても、くり返すうちに、お子さんなりの「仕組み」ができあがります。お子さんの欲求を尊重しながら、仕組みづくりに取り組みましょう。