解説・説明 (子ども)

力の欲求が強い人

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評価や達成を求める欲求

力の欲求とは「人から認められたい」「何かを達成したい」「高収入や社会的地位を得たい」と考える欲求です。人間特有の欲求であり、他の生物は持ち合わせていません。他者との競合により満たされます。また「自分には価値がある」と感じることで、競争しなくても欲求を満たせます。

力の欲求が強い子は「達成・競争が好きなタイプ」

考え方や行動の傾向


欲しいものは努力して手に入れようとするタイプです。実力や成果を認められたいという思いが、行動のきっかけになることもあります。他者からの期待に応えたい気持ちを持っており、人を助けることや喜ばれることに進んで取り組む側面も持ち合わせています。


大切にしていること


  • 競争
  • 勝利
  • 達成
  • 自己肯定
  • 自己顕示
  • 貢献

ポイント

力の欲求が強い子は、努力や行動を評価してほしいと考えています。目標達成のために行動できた時は、成果や頑張りを認めていきましょう。

また、頑張ることができるタイプだからこそ、他者にも同じような行動を求め、ワンマンになる可能性があります。仲間とうまく協力して目標が達成できるよう、意識づけを行っていきましょう。

力の欲求が強い子のための8か条


Base(ふだんの関わり)



「あなたのおかげで」を伝えよう


お子さんが協力してくれた時は「ありがとう」「助かったよ」の声かけで感謝の気持ちを伝えましょう。

「〇〇してくれてありがとう」「おかげで〇〇できたよ」と具体的に伝えると、お子さんも欲求を満たせます。貢献できた実感や認めてもらった経験が自信となり、他の人にも優しく接することができます。


まずは話を聞いて、受け止める


正義感が強いゆえに、ルールや規則を破る人にイライラしてしまうことも。そんな時は、どんなことにイライラしたのか、なにが納得できなかったかをよく聞いて、「そう思ったんだね」と受け止めましょう。心の整理につながります。

お子さんが落ち着いたら、その後どう行動するかを、冷静に考えられるとよいでしょう。


️相手を変えるのではなく、自分はどう行動するかを考える


人との対立が起きた時は、相手を変えるのではなく「自分はどう行動するか?」を考えましょう。

相手を変えるよりも、自分の行動を変えることに力を注いだほうが、欲求を適切に満たせます。「力」の方向を変えて、人への貢献などにつながるよう、サポートしていきましょう。


親子で気持ちがぶつかり合うことも


親子で意見がくい違い、ぶつかることもあるでしょう。喧嘩やトラブルに発展しそうになったら、お互いに落ち着く時間をもうけることも必要です。

冷静に話せるようになったら、お互いの考えを改めて共有しましょう。ぶつかることなく、協力できるはずです。また、日頃から心地よい関係を築き、意見をすり合わせられる仲でいましょう。


気付きを与える関わりを


負けず嫌いや競争心が、目にあまる時もあるでしょう。他者との衝突を避けるために、気付きを与える関わりも必要です。

お子さんが成果を出した時は「去年と今の自分を比べてみよう」「努力できる人はかっこいいよ」などの声かけで、過去の自分から成長できていることを伝えましょう。また「人を助けられるのはすごいことだよ」と伝え、他者への貢献を促すと、欲求を満たしていけます。


Challenge(挑戦するときの関わり)



ゲーム感覚で家事に挑戦


目標に向かって挑戦したり、努力したりすることが苦にならないタイプです。そのため、身につけておきたい日常生活スキルはゲーム感覚で習得するとよいでしょう。

たとえば、家族みんなで家事を行う日をつくり、「終わった人から、好きなおやつを選べる」と決めることで、楽しく競争しながらスキルが身に着きます。

ほかにも、お子さんのやる気がアップしそうなルールがあれば、ぜひ取り入れてみてください。


感謝の言葉でモチベーションを高める


お子さんが手伝ってくれた時は「どうもありがとう」「本当に頼もしいなぁ!」としっかり伝えましょう。

保護者の方の感謝の言葉で、人を支える強さと優しさが、さらに育まれます。


️息を合わせる「作戦会議」がカギ


お子さんが目標を達成するためには、保護者の方も同じ方向を向くことが大切です。

目標を立てる時は、お子さんの目標を尊重した「作戦会議」を行い、どこに向かって頑張るかをしっかり話し合いましょう。

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