基本的な
不適切な行動への対応

欲求が満たされないことで、かんしゃく・わがまま・あきらめ・落ち込むなどの行動を起こす子もいます。こうした不適切な行動には、どう対応するとよいでしょうか。具体的な対応方法を見ていきましょう。
かんしゃく、わがままへの対応

周りの人に問題があると考える子は、次のような行動を起こしやすいとされています。
行動の例
- 他者にぶつかる
- かんしゃく
- わがまま
- 非行行動
こうした行動がみられた場合、気持ちを受け止めつつ、適切に発散できるように関わる必要があります。具体的には、次のように対応しましょう。
お子さんへの対応
- 気持ちを受け止めつつ、一旦落ち着くのを待つ
- 「〇〇したかったのかな」「本当は〇〇みたくなりたかったのかな」と代弁する(自分の状況や気持ちに気付かせる)
- どう行動するとよいか、子どもに話してもらう(外在化で自分が得たいものが得られるか判断させて、適切な行動を促す)
かんしゃく・わがままなどの行動を起こす子は、自分の感情や状況に気付けなかったり、パニックになったりすることがあります。そのため、お子さんの気持ちを代弁し、適切な行動を促す必要があるでしょう。
成長とともに、自分の気持ちを言語化できると、少しずつ外在化は収まっていきます。それまでは、自分の怒りに気付き、どうしたかったかを人に伝えられるように支援しましょう。また、欲求を適切に満たせるようにサポートしていきましょう。
あきらめ、落ち込むなどを起こす子への対応

自分自身に問題があると考える子は、次のような行動を起こしやすいとされています。
行動の例
- 「どうせできない」と諦める
- 立ち向かうことをやめる
- 自分への期待値を下げて自衛する
- 不安なことを避ける
こうした行動がみられた時は「頑張れ」と励まして行動を促すのではなく、まずはお子さんの気持ちを受け止めましょう。また、適切に自分の気持ちを表現できるように、次のように関わっていきましょう。
お子さんへの対応
- 子どもの気持ちを受け止める
- 「本当はどうしたかったかな」「実はこうしたかったと思っていることはあるかな」と問いかける
- 子どもがうまく話せない時は、気持ちを表現できるようになるまで待つ
- どう行動すると自分の欲求が満たせそうか、子ども自身に聞いてみる
あきらめ、落ち込むなどの行動を起こす子は、我慢してやり過ごしたり、苦手な状況を回避したりする傾向がみられます。そのため、まずは自分の気持ちを表現できるようサポートします。また、自分の欲求は自分で満たす必要があると気付かせることも大切です。
はじめは子どもが気持ちを表出できるように、サポート重視の関わりを行いましょう。この時、子どもの表現を助けるために問いかけるのはOKですが、「なんで?」「どうして?」と聞きすぎるのは控えます。こうした質問が責められているように感じる子もいるため、状況に応じて一旦引くようにしましょう。
お子さんが元気になってきたら、徐々にサポートの手をゆるめ、自分で自分の欲求をどう満たすか、考える機会をつくりましょう。「今どうしたい?」「何をしたいかな?」と問いかけ、お子さんが具体的なアクションを起こせるように、手助けしていくのもおすすめです。
かんしゃくや諦めなどの不適切な行動は、子どもが成長する過程でしばしば起こります。「自分のせいで子どもが良くない行動をしてしまった」と責めるのではなく、お子さんが健全に欲求を満たせるように、前向きに関わっていきましょう。