基本的な
不健全な状態

欲求を満たすためには、自分の欲求に合わせた満たし方を知り、自分で行動を選択する必要があります。仮に、欲求に沿った行動ができないと、満たされない状態(不健全な状態)に陥ってしまうでしょう。
大人は自分で行動を選ぶことができますが、子どもは必ずしもそうではありません。保護者の方は、お子さんが欲求を満たせる環境や機会が揃っているか、確認する必要があります。
状況に合わせて環境を調整したり、関わり方を変えたりしながら、お子さんが欲求が満たせるように工夫しましょう。
欲求が満たされない状態が続くと

お子さんの場合、欲求が満たされない状態が続くと、「歪み」となって行動に現れます。具体的には、次のような行動が増えると考えられています。
外在化(周囲に問題があると考える)
周囲を変えようとして、次のような行動を起こします。
- 他者にぶつかる
- かんしゃく
- わがまま
- 非行行動
外在化は欲求を表現できていますが、やり方に問題がある状態と言えます。そのため、他人の欲求充足を妨げない方法で、欲求が満たせるようにサポートすることが大切です。
内在化(自分に問題があると考える)
自分に非があると考えて、健全ではない行動を起こします。
- 「どうせできない」と諦める
- 立ち向かうことをやめる
- 自分への期待値を下げて自衛する
- 不安なことを避ける
内在化は、自分の欲求を抑圧しないこと、自分で満たす必要があることを教えてあげる必要があるでしょう。
お子さんに普段と違う様子がみられたら、年齢・発達・理解力に合わせて欲求の満たし方を伝えていきましょう。また、言葉で教える以外にも、行動や振る舞いで健全な欲求の満たし方を示すこともできます。意識しなくても、お子さんに「見せたい背中」を示すことで、欲求の満たし方を伝えられている方もいるはずです。
お子さんが健やかに成長していけるよう、欲求の適切な満たし方を伝えていきましょう、また、人の欲求充足を妨げず、自分自身で欲求を満たす責任があることも伝えていきましょう。
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