解説・説明 (子ども)

生存の欲求が強い人

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人が生きるために必要な欲求

生存の欲求とは、食事や睡眠、安全など、人が生きていくために必要な身体的・生理的な欲求です。生命維持に関する事柄が含まれます。

生存の欲求が強い子は「慎重・堅実・健康でいたいタイプ」

考え方や行動の傾向

安全な環境や安心できる状態を望むタイプです。規則を守ろうとするマジメさがあり、健康やお金を大切にします。危険なことを避けるので、トラブルには巻き込まれにくいでしょう。

大切にしていること

  • 規則正しい生活
  • 食事や休息、睡眠
  • 毎日の習慣
  • 健康
  • 安全・安定
  • 貯金
  • 危険な遊びをしない

ポイント

生存の欲求が強い子には、慎重・堅実な特性があります。そのため、不安な時は「これならできる」と思えるレベルに調整したり、事前準備やイメトレで心構えの時間をつくったりすることが大切です。

また、日々の生活を通して、欲求を満たせるように工夫するとよいでしょう。料理や掃除、植物の栽培など、暮らしを楽しむことでも充足感が得られます。

生存の欲求が強い子のための9か条

Base(ふだんの関わり)



コツコツ積み重ねる姿勢をサポート


なにごともコツコツ取り組むことが得意なお子さんです。一度決まったことはやり抜く力を持っています。そのため、生活習慣や安全に留意した行動も身につけやすいでしょう。

「今日もハミガキ、上手にできたね」「寒いから、暖かい格好をしよう」などの声かけで、自ら健康や安全な状態を保てるようにサポートしていきましょう。


強みを活かして「管理スキル」を育む


身の回りの管理が上手になる可能性を秘めています。生活習慣はもちろんのこと、年齢に応じて健康管理やお金に関する学習の機会をつくるとよいでしょう。

おこづかい帳の導入や、栄養・睡眠に関する学習もおすすめです。健康的な行動と、適切な金銭感覚を身につけて、心地よく生活できる力を蓄えましょう。


うちの子、花まる宣言!


勉強や習いごと、生活習慣など、継続していることがあれば「毎日がんばっているね!」「えらい!」などと声をかけ、こまめにねぎらいましょう

保護者の方の言葉で、お子さんは「自分はがんばった」「ぼく/わたし、花まる!」と思えるようになります。


暮らしを楽しもう


親子で料理・掃除・洗濯などの家事に取り組むと、暮らしを楽しむ感覚が得られます。プランターで簡単な野菜を育ててみるのもおすすめです。

ふだんの生活を楽しむことで、親子のコミュニケーションも深まります。お子さんといっしょに、暮らしをよりよくする切り口を見つけてみましょう。

Challenge(挑戦するときの関わり)


事前シミュレーションが行動のはじまり


お子さんは「事前にしっかり考えること」を重視しています。そのため、新たな挑戦に取り組む前に、なるべく「シミュレーションの時間」を確保しましょう。

頭の中でじっくりとイメージするタイプなので、実行するまで時間がかかるかもしれません。しかし、こうした過程が、お子さんの意欲的な行動へとつながります。保護者の方は、辛抱強く見守ってあげましょう。


「失敗のリカバリー方法」を伝える


他人から見るとささいな失敗も、お子さんにとっては大きなストレスになる可能性があります。そのため、失敗した時にどう対処するか、リカバリー方法を伝えていきましょう。

たとえば、お茶をこぼした時は「このフキンで拭くときれいになるよ」と教えるとよいでしょう。また、お皿を割った時は新聞紙でくるむよう伝えることで、失敗しても徐々に対処できるようになります。こうした対処方法を増やすことは、不安を乗り越えるのに役立つでしょう。

失敗した時は「叱る」よりも「リカバリー方法を伝える」ほうが、安心して動けます。ぜひ、意識してみてください。


「見てみるだけ」も大きな一歩


いつも慎重な姿に「ちょっとくらい、やってみたらいいのに」と感じるかもしれません。しかし「見ているだけ」の時間も、お子さんが行動するために必要です。まずは「ちょっと見てみる?」「見にいくだけでもいいよ」と声をかけてみましょう。「見るだけ」でもお子さんの興味と関心をじんわり広げていけます。


ちょっとした経験で不安を減らす


安全・安心を重視するあまり、興味があることも「不安だからやめておこう」と遠ざけてしまうかもしれません。不安は、避ければ避けるほど大きくなるため、少しずつ慣れる機会をつくることをおすすめします。

習いごとは見学からスタートする、心配な時は保護者の方が付きそうなど、お子さんが「これならできそう」と思えるレベルで、挑戦を重ねていきましょう。「少し不安だったけど、できた!」と、小さな成功体験が増えれば、前向きにチャレンジできるようになります。「うまくいかない」と思って最初から挑戦を避けないように、できる限りサポートしていきましょう。


愛ある言葉と寄り添う姿勢


挑戦そのものに不安を感じやすい性格です。そのため学校や習いごと、レジャーなどで新しいことに取り組む際は、お子さんに寄り添った声かけを意識しましょう。

たとえば「ゆっくりでいいよ」「そばにいるからね」「困ったら何でも聞いて」などの配慮や声かけができると、お子さんの背中をあと押ししてあげられるでしょう。お子さんがさまざまな経験を積めるように、寄り添いながら対応しましょう。

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